近年、シングルボードコンピュータが次のように進化しているようです。
- CPU・OS:32⇒64ビット対応
- 大容量メモリー対応:LPDDR4 8GB⇒16GB⇒32GB
- LAN端子:ギガビットEthernet対応⇒ 2.5GBASE-T対応
- ストレージのSSD対応 microSD⇒eMMC⇒NVMe SSD
写真のOrange Pi 5 Plusは、2つの2.5GBASE-T端子、Wi-Fi用のM.2端子、eMMC、NVMe対応M.2 SSD端子を装備しています。
まあ、仕様上はそうなのですが。
たとえば実際にNASを構築しまして。
性能を測ってみますと、シングルボードコンピュータのSoCや設定の違いによって、得られる性能はまちまちです。
同じ価格帯のシングルボードコンピュータを選択する場合、実際の性能が高いものを選びたいですよね。
そのあたりの、性能評価的な覚書です。(自分用のため揃っておらず恐縮ですが
目次
シングルボードコンピュータの機種ごとの評価値の覚書
OpenMediavault 6
Raspberry Pi 4 (Broadcom BCM2711)
- Broadcom BCM2711
- Quad core Cortex-A72 (ARM v8) 64-bit SoC @ 1.8GHz
- 4GB LPDDR4-3200 SDRAM
- 64ビット版Raspberry Pi OS(Lite) Debian 11(bullseye)ベース
- microSDカード起動
- USB 3.0端子に容量1TBのHDDを接続
- ギガビットEthernet
- OpenMediavault 6
Raspberry Pi 4は、仕様通りの性能が出ているように思えます。
ストレージへの接続、USB 3.0端子の仕様上の速度は5Gbpsです。
またLAN端子、Ethernetの速度は1Gbpsです。
他のPCからファイル転送を行うと、110MB/s~およそ1Gbpsの速度が出ており、CPU、メモリー、ストレージ、LANのうち、転送速度が一番低い、LAN端子と同程度の速度で、外部のPCからアクセスできています。
部品不足や円安の影響で、価格に変化がありましたが、やはりRaspberry Pi 4は、お得感が高い評価です。
NanoPi Neo4 (RK3399)
- Rockchip RK3399
- CPU: big.LITTLE,Dual-Core Cortex-A72(up to 2.0GHz) + Quad-Core Cortex-A53(up to 1.5GHz)
- RAM: 1GB DDR3-1866
- 64ビット版Debian 11(bullseye)
- eMMC起動
- USB 3.0端子に容量2TBのSSDを接続
- ギガビットEthernet
- OpenMediavault 6
2TB程度のSSDを、USB 3.0端子に接続しています。
SoCはRK3399、CPUは6コア・動作周波数2.0GHzのためRaspberry Pi 4よりも上位クラスになります。
さらに起動用のメディアはeMMCを使用しており、スペック的にはRaspberry Pi 4よりも早いはずですが。
他のPCからアクセスすると、速度はRaspberry Pi 4の1/10しか出ません。
メモリー容量が、1GBでは足りない?topコマンドで確認すると、1GBの容量でもOpenMediavault 6の動作には影響はなさそうな感じですが。バッファリング/キャッシュ容量が足りないのは確かなようです。CPUコアの性能を出し切れていない感じもします。
または、USB 3.0端子かEthernet端子のあたりに、なにか速度低下を招くようなボトルネックがある可能性もあります。
同じDebian 11、同じOpenMediavault 6でも。
シングルボードコンピュータの機種により、動作速度が全く異なることがわかります。
SoCについて。Raspberry PiのBroadcom BCMシリーズと、NanoPiのRockChip RKシリーズでは設計が全く異なっています。
もしかすると、SoCによって、得意分野/不得意分野があるのかもしれません。
たとえばカメラや、GPU、NPUを使用したアプリでは、全く異なる結果が出る可能性があります。
この記事は、随時、内容を追加致します。