Raspberry Pi 5にアーマーケースを取り付けてみました。
2024年1月現在、アーマーケースは、ファンなし・シングルファン・デュアルファン対応の数種類が発売されています。
Raspberry Pi 5は、今までになかったPCIe 2.0端子が搭載されておりますが、ケーブルの取り回しが難しいようです。(ケーブルを短くする必要がある
そのあたりの拡張を考慮しなががら、アーマーケースがどうなのかを見たいと思います。
目次
Raspberry Pi 5 アーマーケースの取り付け例
アーマーケースは3種類
2024年1月現在。Geekwormさんのアーマーケースは3種類存在するようです。ファンなし・シングルファン・デュアルファン搭載モデルとなります。
本来の選択基準は、発熱の度合いで決めたいところですが。Raspberry Pi 5の電源ユニットが入手できず、適切なモデルが選択できていません。
アーマーケース付属品にこだわらなければ、ファンは後付できるため、ここではファンなしモデルを選択しました。
ヒートスプレッダーの取り付け
Raspberry Pi 5のSoCは、アルミのヒートスプレッダーが装着してあります。
購入したアーマーケースは、サーマルパッドを直接アルミのヒートスプレッダーに取り付けないように説明書きがありました。
銀色アルミのヒートスプレッダーとアマーケースの間に、銅製ヒートスプレッダーを取り付ける必要があります。
写真の通り、銅は酸化しやすく、取り付け前に前処理が必要でした。別途、こちらの記事になります。
シリコングリスで銅をコーティングすることで、空気やアルミとの接触を避けて、酸化やイオン化による腐食を防止しました。(ガルバニック腐食
サーマルパッドの配置は注意が必要
アーマーケースの取り付けにあたり、サーマルパッドの配置が問題になります。
サーマルパッドを取り付ける前に、アーマーケースを仮止めしてみたのですが。
アーマーケースにグリスが付いています。どうも、ヒートスプレッダを取り付けたSoCと、アーマーケースの距離がかなり近いことがわかりました。
ヒートスプレッダにサーマルパッドを取り付けると、Raspberry Pi 5の基板が歪んでしまいました。どうも適切な厚さではないようです。
このため、SoCにはサーマルパッドを取り付けるのはやめて、シリコングリスを塗布することにしました。
SoC以外の3つのチップにサーマルパッドを取り付けました。アーマーケース側の凹凸を見れば、どのチップに取り付けるべきかを確認できると思います。サーマルパッドの保護フィルムですが、指でフィルムを剥がすのは難しいため、セロハンテープは必須です。
片手でテープが切れるように、重たい(動かない)テープカッターを常備しましょう。左下のチップ、小さい電源用のPMICのパッドがずれ&曲がりましたが。一度貼ったサーマルパッドは剥がせないため、直せません。
保護フィルムを剥がして、サーマルパッドを載せるときは、慎重に載せましょう。
下面のアーマーケースはカバー代わり
特に放熱の役割は行っておらず、単なる基板のカバーになっていることがわかります。
今回購入したアーマーケースは、上面カバーにねじ山が切ってあり、ナットは使用しません。
下面のカバーを通して、下からボルト(雄ねじ)で固定する作りです。
これを踏まえまして。
PCIeデバイスと冷却システムを混在させるには
Raspberry Pi 5は、PCIeデバイスを搭載することが可能です。
その場合、基板の上面に取り付けるか・下面に取り付けるかが問題になります。
Raspberry Pi 4と比較して、SoCの発熱は大きいと思われるため、基板上面は、何らかの冷却システムを取り付ける必要がありそうです。(冷却不足で性能低下
一方、PCIeデバイスの高速な信号は、ケーブルが長いと不安定になるため、なるべく短いケーブルを使用する必要があります。
よって、SoCの冷却システムとPCIeデバイスをうまく配置するには、PCIeデバイスは、基板の下側に取り付けられるものを選択したほうが良いかもしれません。
このあたりは、次回のPCIe対応M.2端子の取り付けで、確認してみたいと思います。
今回は、下面のカバーを取り付けて、アーマーケース取り付け完了となります。
以上のような感じで、Raspberry Pi 5にアマーケースを取り付けてみました。
Raspberry Pi 5は、大電力(5V5A)を取り扱うため、SoCやPMICの発熱量が大きい心配があります。
このため、パッシブ冷却システムでは、熱を拡散するための大きな容量(体積)が必要になります。小さな体積で冷却したい場合、アクティブ冷却システム(強制排熱)が必要になりそうです。
PCIeデバイスとの干渉が心配ですが、そのあたりは次回にて。
それではまた!