Raspberry Pi 4のRocky Linux 9でZramを使用するには

前回、debian bullseye系列のRaspberry Pi OSにて、zramctlコマンドでzramを作成しました。

Raspberry Pi OSでZramを使用するには bullseye版
近年のPCやシングルボードコンピュータは、マルチコア、複数個のCPUで構成されています。Raspberry Pi 4 Model Bの場合、...

では、Red Hat Enterprise Linux 9系列のディストリビューションでzramを使用するには、どの方法が最良でしょうか。

Fedoraでは、zram-generatorによるswap作成が、既に既定の動作になっています。

Raspberry Pi 4にRHEL 9系列のRocky Linux 9をインストールした場合の、zram作成手順を記録させて頂こうと思います。


Rocky Linux 9のzram作成手順の覚書

Rocky Linuxは、CentOSと同様に、Red Hat Enterprise Linuxと互換性を持つディストリビューションの1つです。

RHEL 9系列は、同じ手順でzramを作成できる可能性が御座います。(未検証

Rocky Linuxインストール直後のswapの状態

Rocky Linuxインストール直後は、500MBのスワップパーティションが作成されています。

/dev/sda2パーティションのようです。ファイルシステムのため、swapが発生すると、microSDカードやSSDの寿命に影響します。

その改善のため、zramをインストールしたいと思います。


zram-generatorのインストール

RHEL系では、zramctlコマンドを使用するよりも、zram-generatorを使用したほうが楽な感じがします。なんとなく(意味不明

sudo dnf install -y zram-generator

インストールが完了しました。


zram-generatorインストール後再起動するとzram有効に

再起動して状態を確かめてみました。

sudo systemctl reboot

再起動が完了すると、3.7GBのzram0デバイスが作成されています。

またswapとして登録されており、優先度も100に設定されています。

つまり。

zramを使用したい場合は、zram-generatorをインストールして、再起動ればOKということになります。


zram-generatorの設定の詳細

zram0を作成しているユニットは、「systemd-zram-setup@zram0.service」のようです。

そしてその設定ファイルは「/lib/systemd/zram-generator.conf」になります。

設定は2行。

1行目のzram-fractionは、使用可能なRAM領域に対する、スケーリングファクター(割合)設定になります。2行目のmax-zram-sizeは、最大容量の制限値でメガバイト単位になります。

既定の設定では、zram0は最大8GiBに制限され、かつメインメモリーの1.0倍までという設定になります。

メモリー容量4GBのRaspberry Pi 4を使用していますが、その場合は最大4GiBのzramが作成される、という設定から、3.7GBの/dev/zram0が作成されたのだと思います。


zram-generatorの設定調整

sudo vi /lib/systemd/zram-generator.conf

zramの設定を細かく調整したい場合は、/lib/systemd/zram-generator.confファイルを編集します。

設定可能な内容は、次のマニュアルに記載があるようです。

man zram-generator.conf

気になるのはこのあたりです。既定の設定では、メモリー容量8GBまではリニア(線形)にzramサイズが確保されますが、8GBを超えても4GBまで、というグラフが描かれています。

manページにグラフというのは、初めて見ましたが・・・・何か意味深な感じがします。

個人的には、既定の設定でzramを使用させて頂くのが無難な気がします。


RHEL9系列でzramを使用したい場合。

zram-generatorをインストールして、再起動するだけで、zramを使用可能な状態になりました。

以前の記事に記載させて頂いた通り。

Raspberry Pi OSでZramを使用するには bullseye版
近年のPCやシングルボードコンピュータは、マルチコア、複数個のCPUで構成されています。Raspberry Pi 4 Model Bの場合、...

zramを作成する理由は、ストレージへの書き込み回数を減らすためです。

サーバとしてRaspberry Piを使用する場合や、カーネルやアプリをコンパイルする場合など、swapが発生するレベルまでプロセスを作る場合、メインメモリーをファイルのキャッシュとして使用するよりも、swapとして使用したほうが、microSDカードやSSDの寿命を伸ばす効果があるためです。

そもそも、RHEL9を使用する状況では、サーバとしてマシンを使用する場合が多いと思います。よって、個人的には、RHEL9を使用する場合、zramの導入は必須のような感じがします。

繰り返しになりますが。microSDカードやSSDの寿命が気になる場合は、メモリーをキャッシュとして使用するよりも、zramとして使用することを検討するのも悪く無いと思います。

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