Orange Pi 5に容量512GBのNVMe SSDを取り付けて。
Android 12のOrange Pi OSを起動してみました。もちろんSSDから起動しています。
Androidの容量は8.5GBのようです。ブートメディアは確かに容量512GBとして認識されています。
SSD起動が可能なOrange Pi OSのインストール手順を記録させて頂こうと思います。
目次
Orange Pi 5とは
Orange Pi 5は、R5(2023)年2月現在のシングルボードコンピュータ最新機種になります。
スペックにつきましては、こちらの記事を御覧ください。
SSDの取付
Orange Pi 5はNVMe SSDを直接取り付けることが可能です。
具体的な取付手順は、こちらの記事を御覧ください。
Orange Pi OSを起動したい場合、microSDカードからUbuntuを起動する必要はありません。
この後ご紹介する手順で、Windows PCからOrange Pi 5経由でSSDにブートイメージを書き込む事が可能です。
SSDの取付が完了しましたでしょうか?
早速、具体的な書込み手順に入ろうと思います。
Windows PCによるOrange Pi 5 SSDアクセス準備
PCとの接続にType-Cケーブルが必要
Orange Pi 5のSSDへのアクセスは、Windows PCを使用して行います。その際、PCとOrange Pi 5との接続に、Type-CのUSBケーブルが必要になります。お手元に事前にご用意頂けばと思います。
RKDevToolとドライバのダウンロード
Orange Pi 5のSoCは、Rockchip RK3588Sが搭載されています。
Rockchipを搭載したシングルボードコンピュータ(SBC)にUSB経由でPCからアクセスするために。rockusbデバイスドライバと、開発ツールであるRKDevToolをダウンロードさせて頂きました。
Offical Toolsのリンクから。
「Android and Linux image writing tool-RKDevTool and drive」フォルダを開きます。
こちらのページから、下記の2点をダウンロードさせて頂きました。
- DriverAssistant_v5.12.zip
- RKDevTool_Release_v2.96.zip
DriverAssistantのインストール
ダウンロードしたDriverAssistant_v5.12.zipを展開します。
RockchipのUSBドライバをインストールするため、DriverInstaller.exeを実行します。
「インストール」ボタンをクリックして、Rockchipのドライバをインストールしました。
RKDevToolの英語化
続いてRKDevTool_Release_v2.96.zipを展開します。
申し訳ありませんが、私は中国語が読めません。このため、画面を英語表示に変更させて頂きました。
config.iniファイルをテキストエディタで開きまして。[Language]セクションのSelected項目が、どの言語を使用するかの選択設定のようです。セクションの内容を観察すると、Lang1はChinese.iniを使用、Lang2はEnglish.iniを使用する定義のようです。
3行目の「Selected=1」を「Selected=2」に変更して、英語の設定ファイル(English.ini)を使用するように設定を変更しました。
以上で準備が完了しました。
Windows PCからOrange Pi 5のSSDを書込み
MASKROMモードでOrange Pi 5を起動
Windows PCからOrange Pi 5のSSDにアクセスするため、Orange Pi 5をマスクロム(MASKROM)モードで起動します。
- USB3.0 Type-C端子と、Windows PCをUSBケーブルで接続します。
- MASKROM keyボタンを押しながら。
- Type-C/Power portに電源アダプタを接続し、電源を入れます。
上記の手順で、Orange Pi 5がMASKROMモードで起動します。ボード上の赤色のLEDが点灯して、電源ONの状態になりました。
RKDevTool起動
PC側で、RKDevToolを起動します。
先ほどの設定変更が反映されて、画面は英語モードになりました。
左下を見ますと、「Found One MASKROM Device」と表示されていて、Orange Pi 5が認識されていることが確認できます。
さて。SSDに書き込むイメージを用意しましょう。
Orange Pi OSのダウンロード
先ほどのダウンロードリンクから、Orange Pi OSをダウンロードさせて頂きました。NVMe SSD用ということで「SPIFlash-NVME SSD Image」フォルダを開きます。
こちらのtar.gzファイルをダウンロードさせて頂きました。
7zipでtar.gzファイルを展開します。
RKDevToolによるSSDイメージ書込み
- RKDevToolの左上、「Upgrade Firmware」タブをクリックします。
- 「Firmware」ボタンをクリックして、書込み対象のimgファイルを選択します。
- 「Upgrade」ボタンをクリックして、書込みを開始します。
開始すると、画面右側にログが表示されます。
ログから察するに、最初にSPIフラッシュにブートローダーを書込み、その後NVMe SSDにOSイメージを書き込んでいるようです。
ログの最後に「Download Firmware Success」と表示されました。
以上でSSDへのOrange Pi OSの書込みが完了しました。
OrangPi OSが起動中
この段階で。実は、既にOrange Pi OSの起動が始まっています。
Orange Pi 5本体に、HDMIディスプレイと、マウス・キーボードを接続します。
マウス・キーボードは、USB 3.0端子に接続します。USB 2.0端子では認識されていませんでした。
NVMe SSD起動ということで。恐ろしい速さで、Orange Pi OSが起動します。
本当に、そんなに動作が早いの?本当?という疑念の元に。
まずは、インターネットアクセスの速度がどのくらいなのか?Ethernet端子でネットワークに接続、Chromeからfast.comにアクセスしてみました。・・・・
おうちのPCと一緒。十分に高速にインターネットにアクセスできるポテンシャルをお持ちのようです。Orange Pi 5さん。Orange Pi OSのAndroidバージョンは12のようです。
インストールされているアプリは。Aurora Storeがちらり。
本記事は、使用を推奨するものではありません。ご利用は自己責任でお願い致します。
Android 12イメージも同様の手順で起動可能
Orange Pi 5ダウンロードページにて公開されている、Android Imageですが。こちらのイメージも、同じ手順でSSDへ書込みが可能でした。(検証済み
実際に起動してみましたが。
Orange Pi OS(Droid)のサブセットという印象です。Android本体は起動しますが、アプリのインストール手順が存在しません。
Orange Pi OSはAurora Storeが用意されていますが、Android Imageはアプリのインストール手段がなさそうな感じです。
もしもOrange Pi 5でAndroidを使用したい場合は、Orange Pi OSを使用したほうが良い印象でした。
以上のような感じで。
Orange Pi 5に接続したNVMe SSDから、Orange Pi OSを起動してみました。
Orange Pi OSはAndroidベースということで。基本的に、ストアからアプリケーションをダウンロードして実行するかたちかと思います。
NVMe SSDを使用したということで。動作速度は大変高速です。microSDカードやeMMCといったストレージよりも上位のランクの速度になると思います。
また容量も大きく、たとえば2TBの容量を現在実際に搭載することが可能です。
容量が足りずにアプリを削る、という作業はもう必要無いのかもしれません。入れたいだけ入れられる。さらに高速。うーん。素晴らしい環境です。
とはいえ、すべてのアプリが正しく動作する保証はありません。希望のアプリが正しく動作するかは、実際に実行して試してみないとわからない状態です。
そのあたりを考慮しつつ、ご興味が御座いましたらぜひ動かしてみて下さい!