シングルボードコンピュータといえば、ARMアーキテクチャのCPUが主流かと思いますが。※2023年3月現在
2022年末頃から、RISC V(リスクファイブ)CPUのシングルボードコンピュータが入手できるようになりました。
RISC CPUといえば、古くはMIPSアーキテクチャのワークステーション。SGI(シリコングラフィックス)のグラフィックワークステーションやSONYのNEWSステーション、そしてその進化系のPlayStationとPlayStation 2を思い出してしまいますが、それはさておき。(RISC vs CISCバトルの時代
新しいCPUということで、とりあえずDebianを起動してワクワクしてみました。
目次
VisionFive 2について
前述の通り、RISC VアーキテクチャのCPUを搭載しています。
公式ページはこちらのようです。
メモリー容量は2G/4G/8Gから選択可能です。8GBモデルを選択してみました。公式サイトのリンクから購入しましたが、Amazonさんでも取り扱いがありました。
入手時の価格ですが、Amazonさんで買ったほうが安かったと思います・・・。VisionFive2の特徴
他のシングルボードコンピュータと比較して、気になる点は下記になります。
- CPUはRISC Vアーキテクチャ
- eMMC端子のほか、M.2端子にSSDを搭載可能
- ギガビットEthernet端子が2つ
- H.265 1080p@30fpsエンコーディング対応
正直、RISC Vの性能はどうなのでしょう?未知数すぎる感じがします。DebianやArmbianがリリースされておりますので、そのあたりを動かしながら、性能を確認したいと思います。
良好な性能を得られる場合、ギガビットLAN端子を2つ装備しておりますので、何かルータやUTMのような使い方も良さそうです。
またDSIディスプレイ端子とCSIカメラ端子を搭載しており、IoT向けの使い方も可能です。
ストレージはmicroSDカード、eMMCフラッシュメモリーに加えて、通常のType2280仕様のM.2 SSDが搭載可能です。
前回登場のOrange Pi 5も同様ですが。
シングルボードコンピュータもM.2 SSDが当たり前になりつつある感じもします。
AI対応という記述も見られますが、専用の回路が搭載されているのでようか?またはRISC Vに関連する機能が搭載されているのか・・・このあたりも未知の領域になります。
使用するmicroSDカードの容量は32GB
初登場かつ新しいCPUを搭載したシングルボードコンピュータ、初物ということで。
初物は普通に使い始めることは難しく。最初に色々と設定を調整する必要があります。
まずは、容量32GBのmicroSDカードを用意しました。
公式マニュアルを拝見しますと、容量は32GB以上必要、との記述があります。
容量128GBのmicroSDカードで起動を試みたのですが、起動しませんでした。理由は容量なのか、u-bootの影響なのかがわかりませんでしたが、32GBでは問題なく起動しました。
DietPiやArmbian等、容量が大きいと起動しないイメージが、確かに存在します。
まずは、32GB容量のmicroSDカードを用意しておくと安全かと思います。
マイクロスイッチは触らず
本体のGPIO端子付近に、マイクロスイッチが2つあります。
初期状態は、どちらのON側(右)に設定されており、RGPIO_0、RGPIO_1ともに0(Low Level)になっております。
シルク印刷やマニュアルを見ますと、SDカードやUART端子から起動する場合、スイッチを変更するような記述がありますが。
こちらを触ると、正常に起動しなくなるため、変更する必要はありません。
起動しないからといって、マイクロスイッチをいろいろ変えても、何も得られませんでした。(人柱
最終的に、SDカードから起動したい場合も、既定の設定0(Low Level)で問題ありませんでした。
最初にImage-55を起動してブートローダーを更新
microSDカードにDebianイメージを書き込んで起動するのですが。
どうも、初期状態では起動するイメージと起動しないイメージが存在するようです。新しいイメージを書き込んでも起動しませんでした。
理由は、u-boot(ブートローダー)の問題のようです。
このため、最初にImage-55を起動し、u-bootをコンパイルして更新することで、新しいイメージの起動が可能になります。
こちらのリンクから、Image-55をダウンロードさせて頂き、microSDカードに書き込みました。
書き込みはEtcherを使用させて頂きました。
書き込みが完了しましたら、microSDカードをVisionFive 2にセットします。
HDMIディスプレイと、キーボード・マウスを取付けて、Type-C端子に電源を接続します。
Image-55のDebianを起動
一般的には、Debianを起動すると、アーキテクチャはaarch64やamd64が多いと思いますが。
アーキテクチャ表示は確かにriscv64となっていて、CPUが全く異なることがわかります。
debianの細かいバージョンが良くわかりませんが・・・前述の通り、こちらのDebianイメージは最新ではありません。
とりあえず、VisionFive 2でDebianデスクトップが起動して使用することができる、ということはたしかに確認できました。
ログイン情報の覚書
- root
- visionfive
ルートパーティションの拡張
Debian起動直後は、ルートパーティションの容量が15GBで、空き容量が2.2GB程しかありませんでした。
microSDカードに空き容量があり、使われていない状況です。
よって、ルートパーティションである/dev/mmcblk1p3を拡張しましょう。
sudo cfdisk /dev/mmcblk1
# /dev/mmcblk1p3を選択
# [Resize]→新しい容量を入力(そのままエンターで最大容量)
# [Write]→Yes→[Quit]
sudo resize2fs /dev/mmcblk1p3
容量32GBのmicroSDカードの場合、ルートパーティションの容量は30GBになり、空き容量として18GB確保されました。
RISC Vの性能はどうなのでしょう。何か特技は?実用性は?
期待しつつ・・・まずは、新しいイメージが起動しない問題を解決する必要があります。
というわけで、次回、ブートローダーを更新したいと思います。
ではまた次回!