Raspberry Piの起動用メディアとしてmicroSDカードを使用することもあるかと思いますが。
microSDカードは書込み可能な回数に制限、つまり寿命が存在します。
寿命・故障したmicroSDカードは、どのように判別すれば良いのでしょうか?
そのあたりの確認手順を記録させて頂こうと思います。
OpenMediaVaultインストールにて紹介されていた内容です
https://wiki.omv-extras.org/doku.php?id=omv6:raspberry_pi_install
microSDカードが壊れていないかどうか、信頼できるものかどうか。
調べる方法ですが、先日インストールしましたOpenMediaVault 6のインストール手順の内容と同じです。
確かに、故障したmicroSDカードを使用して構築しても、全く意味がありませんので。
Raspbrery Piで何か始める前の段階で、必ず故障しているかどうか調べたほうが良いと思い、記録させて頂きました。
まずはmicroSDカードのフォーマット
壊れたかどうか判別するにあたり。
まずは、microSDカードを初期化します。
https://www.sdcard.org/ja/downloads-2/formatter-2/sd-memory-card-formatter-for-windows-download/
SD Associationさんで公開されております、SDメモリカードフォーマッターを必ず使用します。
Windows用、Mac用の2種類が存在します。
まずはこちらを使用させて頂き、microSDカードを初期化します。
通常、フォーマットが完了すると次のような表示になります。
実際に寿命を迎えたmicroSDカードをフォーマットしようとしますと。
カードリーダーの調子が悪い場合、フォーマットに失敗する場合もあります。
しかし他のmicroSDカードは正常にフォーマットできるのでしたら、失敗したmicroSDカードは壊れている可能性が高いと思います。
一方。
フォーマットが正常に終了しても、やはりmicroSDカードが故障している場合があるそうです。
次はその調べ方になります。
全領域の書込みテスト
microSDカードが壊れていますと、書き込んだ内容と、読み込んだ内容に不一致が生じます。
全領域の書込みテストは、容量いっぱいに書き込んだデータと読み込んだデータが一致するかどうかを調べる内容になります。
そのアプリとして、H2testwを使用させて頂きました。
https://www.heise.de/download/product/h2testw-50539
公式サイトに初回アクセス時、Cookieの警告がドイツ語で表示されますが、左の「Zustimmen」が同意、「Pur-Abo abschlieben」は保存しないになります。
展開・実行後、言語をEnglishに切り替えてみました。続いて「Selct target」ボタンを押下して、先ほどフォーマットしたmicroSDカードのドライブを選択します。
左下の「Write + Verify」ボタンを押下して、テストを開始します。
テストは最初に全領域の書き込みが行われ、その後ベリファイが行われます。
microSDカードの速度・カードリーダーの速度により、かかる時間は異なります。
上図はUHS-I U1仕様、最低読書速度10MB/sのメディアを使用しました。UHS-I U3やV60等と比較して、あまり高速ではありません。テストに2時間近くかかりました。
正常に完了すると、「Test finished without erros.」と表示されます。
これで、このmicroSDカードは故障していないということが確認できました。
ちなみに、こちらの図はUHS-I U3のmicroSDカードを使用しました。U3は、最低読書速度30MB/sを表します。テストは50分弱で終わりました。
書込みは31.4MB/sと仕様通りの速度ですが、ベリファイの読み込み速度は82.6MB/sとなっており、書込みよりも2倍以上の速度が出ています。
同じmicroSDカードでも、UHS-I U1とU3では速度は何倍も異なりますし、また読み込み速度に関しては、製品によってこちらも何倍も早いもの・遅いものが存在することがわかります。
もしも結果がエラーの場合、そのmicroSDカードは故障している可能性があります。
よって、新しいmicroSDカードを購入されたほうが良いと思います。
Raspberry Pi等シングルボードコンピュータで使用する場合、UHS-I U3 A2対応をお勧めします。
「II」や「V60」と記載のあるものは、UHS-II対応のため、カードリーダー側もUHS-IIに対応している必要があります。
多くのシングルボードコンピュータは、UHS-Iのみ対応しておりますので、「II」や「V60」表記はオーバースペックになってしまいます。そのような理由から、UHS-I U3 A2が最適のようです。
microSDカードですが、いつのまにか壊れていて、壊れていることに気づかない場合があります。
壊れていて書き込めない状況では、記録されるべきデータが、まったく記録できていない状況になってしまいます。
よって、定期的にmicroSDカードをチェック・交換したほうが良いように思えます。
具体的な期間は、使用頻度によって異なると思いますが。
製品保証期間として2年を設定している製品があるようですので、目安として2年経ったら交換する、等、何か決めておいたほうが、トラブルは減るように思えます。
デジカメやレコーダー等、身の回りのmicroSDカードを点検してみてはいかがでしょうか。