64ビット版Raspberry Pi OSベータテスト版を動かしてみました


Raspberry Pi 4で、64ビット版Raspberry Pi OSを動かしてみました。

対応するハードウェアはRaspberry Pi 3と4で、64ビット版のRaspberry Pi正式OSとして開発が進んでいるようです。

ベータテスト版を実際に起動して、どのような感じか記録しておこうと思います。


microSDカードイメージのダウンロード

Raspberry Pi Forumsのダウンロードページから、起動用イメージをダウンロードさせて頂きました。

ファイルサイズは0.97GB程で、そこそこの大きさです。

容量64GBのmicroSDカードに書き込みましたが、問題なく起動できました。

Raspberry Pi 4で使用する場合、30MB/s以上の速度で読書が可能な、UHS-I U3 A2規格のmicroSDカードをお勧め致します。ベンチマークの記事はこちらになります。


64ビット版Raspberry Pi OS ベータテスト版の初期設定

起動後、初期設定を行いますが、これはDebian Buster版のRaspbianと全く同じ手順になります。

詳細は、宜しければこちらの記事を御覧ください。

初期設定を進めますと64ビット版でもWi-Fiが使用できるようです。初期設定最後の、ソフトウェアのアップデートは途中で中断してしまいました。ベータテスト版ですので、このあたりはまだ不安定な可能性があります。あとで手動で更新しますので、そのまま進めて初期設定を完了しました。


再起動後の更新

再起動して改めてアーキテクチャを確認してみました。確かにカーネル・実行バイナリともにaarch64版のようです。ふむふむ。

aptコマンドによる更新(アップデート・アップグレード)は問題なく行えました。

sudo apt update
sudo apt upgrade

初期設定でJapaneseを選択しましたが、日本語表示も問題が無いようです。

更新が終わったところで。さてどうやって遊びましょうか。


Minecraft Piはどこかな?

ベータテスト版ということで、スタートメニューに表示されるアプリケーションは、Raspbian(32ビット)と比較すると少なめのようです。

「Add/Remove Software」を起動してソフトウェアを探すことができます。

Minecraft Piで遊べないかどうか、Add/Remove Softwareで探してみましたが、見つかりませんでした。

別の手段として、aptコマンドでインストールしてみましたが。パッケージは存在するようですが、SDLやlibpng、python3の依存関係エラーが表示されます。推測ですが、他の依存するパッケージについて、armhf版からaarch64版の移植を待つ必要があるのかもしれません。


Dockerとsnapdをインストールしてみました

docker-composeでwordpressは?

サーバやアプリケーションの別のインストール手段として、Dockerとsnapdをインストールしてみました。

docker-composeはさらっとインストールできた感じです。

sudo apt install docker-compose

dockerサービスも問題なく動作しています。

試しにdocker-composeでwordpressをインストールしてみました。

dokcer-compose.ymlファイルを作成、docker-composeを起動しますが・・・mysqlのマニフェストがなくて、起動できないようです。ふむふむ。

このあたりも、aarch64版のdockerイメージがまだ整備されてない可能性がありそうです。

今回は何となくwordpressを試しましたが、aarch64版に対応したイメージが提供されていれば、動作するサービスは他にあるかと思います。

snapdでnextcloudは?

続いてsnapdをインストールしてみました。こちらも問題ありませんでした。

sudo apt install snapd

snapでインストールできるサーバ系のサービスとして、nextcloudをインストールしてみました。

sudo snap install nextcloud

2020年5月30日現在、バージョンは18.0.4snap2のようです。

インストール後、しばらく待ってからWebブラウザでRaspberry Piにアクセスします。

http://localhost/

このような感じで、初期設定画面にアクセスできました。管理用のユーザ名とパスワードを入力して「Finish setup」ボタンをクリックしました。メモリー4GB版のRaspberry Pi 4を使用しましたが、カレンダーや連絡帳等のインストールに8分くらいかかりました。(環境によって時間は異なります)インストールが完了して、Raspberry Piを64ビットのNextcloudサーバとして使用することができました。設定ページの「Language」と「Locale」をJapaneseに設定しました。

画面が日本語表示に変わり、問題なく使用できそうですが。実用性を考えると、大容量のストレージが必要かと思います。Nextcloudのremovable-mediaスロットを使用したストレージ設定は、宜しければこちらの記事を御覧ください。


SuperTuxKartは?

最後に、snapでSuperTuxKartをインストールしてみました。

sudo snap install supertuxkart

インストールは問題無いようです。実行すると、libopenh264が開けないエラーで実行できませんでした。残念。

このあたりも、64ビット版各種ライブラリの整備待ちでしょうか。


このような感じで、Raspbian改め、Raspberry Pi OSの64ビットベータテスト版で少し遊んでみました。

dockerイメージや各種ライブラリは、aarch64版の開発がこれからという感じがしました。

一方でsnap版のnextcloudのように、かなり実用的なレベルで使用できるパッケージも存在するようです。

OSが32ビットから64ビット版に変わることで、大きな性能向上に期待できますが、さらにRaspberry Pi OSはRaspberry Pi専用の標準OSということで安定性や豊富なパッケージに期待できそうです。

正式リリースが楽しみですね。

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