Orange Pi 5をNVMe SSDから起動してみました

2022年秋に登場しました、Orange Pi 5に。

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M.2 NVMe SSDを取り付けまして。Ubuntu 22.04.1 LTS Jammy JellyfishをSSDから起動してみました。

動作は高速です。Orange Pi 5の電源を入れてUbuntuを起動、デスクトップ画面が表示されるまで10秒かかりません。とても高速に起動します。

SSDの取付方法や、Ubuntuのインストール手順等を記録させて頂こうと思います。


Orange Pi 5へのM.2 SSD取付

対応するSSDはNVMe Type 2242または2230

Orange Pi 5に取付可能なSSDは、M-KEY対応、NVMe対応のM.2 SSDになります。

同じM.2 SSDでも、SATA対応のB-KEYのSSDは対応しないと思います。誤って購入すると、KEY(切り欠き)の位置が異なって取り付けられません。

またSSDの大きさも、Type 2242または2230対応になりますので注意が必要です。PCで一般的に使用されるサイズはType 2280かと思います。

具体的に、こちらの製品を取り付けてみましたが、問題なく認識・起動しました。

2x5mmのビスとナットで取り付けてみました

M.2 SSD固定用のネジは、Orange Pi 5には付属しません。このため、こちらを使用して取り付けました。

タミヤさんのミニ四駆AOパーツ AO-1025 2×5mmトラス丸ビス(10本)の長さがちょうどよい感じでした。断面はこのような感じですが、ピッタリすぎて余裕は無い感じです。

ビス以外に、m2のナットを2つ使用しました。

SSD取付に使用するパーツをまとめますと。

  1. SSD本体 NVMe対応(M-KEY) Type2240
  2. 2x5mmのビス 1本
  3. 2mmナット 2個

こちらを用意し、早速Orange Pi 5に取り付けました。SSDを取り付けても、既定ではmicroSDカード側から優先的に起動するため、問題ありません。

またSSDから起動するためには、SPI-Flashメモリーのブートローダーを更新する必要があります。更新後もmicroSDカードから起動が可能です。

何かOSを変えたい場合に、SSDを付けたり外したりする必要はあまりなさそうでした。


SSDからUbuntu 22.04.1 LTS Jammy Jellyfishを起動してみました

最初にmicroSDから起動

最終的にSSDから直接起動できるようにしますが、準備のためmicroSDカードが必要になります。

準備の全体的な流れは下記になります。

  1. microSDカードにUbuntuイメージを書き込む。
  2. microSDカードから起動
  3. SPI-Flashのブートローダーを更新する
  4. M.2 SSDにUbuntuイメージを書き込む
  5. microSDカードを取り外し、M.2 SSDから起動する

microSDカードの容量は、32GBを使用しました。容量128GBで試したところ、起動できませんでした。OrangePi 5の公式マニュアルでは、32GBで起動する記述がありましたので、マニュアル通りに32GBが確実だと思います。

Ubuntuイメージのダウンロード

まずは、公式ダウンロードページにアクセス。「Ubuntu Image」をクリックしました。

イメージは4種類、Focal/Jammy、Server/Desktopが公開されていました。Jammyは2022年4月版、Focalは2020年の4月版で、Jammyのほうが新しいようです。

最新のデスクトップ版「Ubuntu Jammy Desktop」をダウンロードさせて頂きました。

ETCHERでUbuntuイメージをmicroSDカードに書込み

ダウンロードが終わりましたら、ZIPファイルを展開します。

拡張子imgファイルを、microSDカードに書き込みますが。Raspberry Pi Imagerでは書き込めませんでした。Orange Pi 5の公式マニュアルの通り、ETCHERを使用させて頂きました。(バイト境界の問題

microSDカードからUbuntuを起動

書込みが完了しましたら、Orange Pi 5にセットします。

コンソールとして、ディスプレイ・キーボード・マウスが必要です。

これらをセットして起動します。

起動しましたでしょうか?

デスクトップ版は、起動時にユーザ名/パスワードの入力は不要でした。orangepiユーザでオートログインしたようです。

パスワードは「orangepi」のようです。sudoコマンドを使用するときに入力します。


SPI-Flashのブートローダー更新

lsblkコマンドでストレージを確認すると、microSDカードは/dev/mmcblk1デバイス、M.2 SSDは/dev/nvme0n1デバイスとして認識されていました。

SSDから起動できるようにするための、ブートローダーの更新手順は下記になります。

  1. ブートローダーのインストーラを起動します。
    sudo nand-sata-install

  2. 4行目の「7 Install/Update the bootloader on SPI Flash」を選択し、<OK>を選択します。
  3. 警告が表示されます。<Yes>を選択します。
  4. ブートローダーの更新が開始されます。画面は変わらないため、そのまま数分待つ感じです。ふむふむ。SPI Flashは/dev/mtdblock0というデバイスなのですね。
  5. 画面左下に「Done」と表示されて、書込みが完了します。

以上でSPI Flashのブートローダーの更新が完了しました。

M.2 SSDにUbuntuイメージ書込み

先ほどmicroSDカードの書込みに使用した、拡張子imgファイルをSSDに書き込みます。

Orange Pi 5にて、再度イメージをダウンロードしても良いのですが。どうもOrange Pi 5の公式サイトはイメージのダウンロード回数に制限があるため、先ほどダウンロード・展開したファイルをOrange Pi 5にコピーしました。

SSDへのイメージ書込みは次のコマンドになります。

sudo dd bs=1M if=Orangepi5_1.1.0_ubuntu_jammy_desktop_xfce_linux5.10.110.img of=/dev/nvme0n1 status=progress

以上でSSDへイメージの書込みが完了しました。


SSDからUbuntuを直接起動

あとは一度電源を切り。

sudo halt

microSDカードを取り外して、Orange Pi 5を起動します。

SSDから初回起動時は、容量の拡張のため、起動にやや時間がかかります。

先ほどmicroSDカードから起動した場合と異なり、microSDカードである/dev/mmcblk1デバイスがありません。

ルート(/)パーティションの容量が455GBに自動拡張されています。

以上で完了です。


SSD起動ですが、パーティション自動拡張の1回目と異なり、2回めから大変高速に起動するようになりました。

冒頭に記載した通り、10秒かからずにデスクトップが表示されます。

また各種アプリの起動・動作も、かなり高速な印象です。

2023年現在の最新のシングルボードコンピュータですが、性能は新たな局面に入った印象を受けました。

まだ十分に確認できていませんが、NVMe対応は大きなインパクトがある感じがします。速度も高速ですが、容量も2TBのSSDが入手できる状況のようです。素晴らしい!

今後、他のアプリや他のOSを起動して、いろいろと試させて頂こうかと思います。

※23.2.19追記:Android 12のOrange Pi OSを起動してみました

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