WindowsやMac、Raspberry Pi等で、Nextcloudサーバを構築する方法をご紹介しました。
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そもそも、なぜNextcloudやOwncloud等のクラウド系ストレージ・サーバを使う必要があるのでしょうか?
ファイル共有サーバやNASと、どう違うのでしょうか?
私は多くのメリット(利点)があると思います。
目次
クラウド系ストレージ・サーバの利点
1.リアルタイム・バックアップ
ファイル共有サーバやNASは、サーバが故障するとファイルが失われてしまいます。
一方、クラウド系ストレージ・サーバは、常にサーバとクライアント(複数のPC等)でファイルを同期しています。
サーバが故障しても、クライアントにあるファイルは無事です。またクライアントの台数が増えれば、無事なファイルも増えることになります。
2.履歴が自動保存される
クラウド系ストレージ・サーバは、ファイルの更新履歴が自動的に記録されます。
内容を以前の状態に戻したり、誤って消してしまったファイルを復活させることが可能です。この機能は、知っていたほうがお得かと思います。
3.オフライン作業が可能
ファイル共有サーバは、外出先等、ネットワークに接続されていないところで使用することはできません。※オフライン・アクセス機能を持つファイル共有サーバもありますが、設定が必要かと思います。
クラウド系ストレージ・サーバは、常にファイルの同期コピーがクライアントにあるため、ネットワークに接続されていないところでも、ファイルの閲覧や変更が可能です。
ネットワークに接続された時点で、変更がサーバに反映されます。
4.アプリケーション(機能)を簡単に追加
アプリケーションメニューから様々な機能拡張をボタンひとつでダウンロード・インストールすることができます。
アクティビティ機能は標準でインストールされていて、フォルダのアクセス状況等を知ることができます。
こちらの記事ではカレンダー機能をインストールして、スマートフォンやThunderbirdから利用する方法をご紹介しております。
欠点もあります
1.ディスク容量をたくさん消費
たとえば、100MBのファイルを共有したい時。
ファイル共有サーバは、サーバで100MBのディスク容量が必要ですが、クライアントは特にディスク容量は必要ありません。
クラウド系ストレージ・サーバは、サーバとすべてのクライアントで100MBずつ容量が必要になります。よって、たとえばクライアントが5台ある場合、サーバと合わせて6台分、600MBのディスク容量を使用することになります。※クライアントごとに同期するフォルダを細かく設定可能ですが、手間がかかると思います。容量が不足したときに、同期しないフォルダを選ぶ感じでしょうか?・・・・
また、履歴保存が行われているので、共有ファイルとして見えている容量よりも、たくさんの容量が消費されます。クラウド系ストレージ・サーバは使用予定以上のディスク容量を用意する必要があります。
2.通信の頻度が高い
同期処理を行うため、サーバとの通信が頻繁に行われます。ファイルの変更頻度が大きいと、通信も増える傾向があります。
ディスク容量と通信頻度に注意すればメリット大
Nextcloudは、複数のPCやスマートフォンでファイルを同期するのに大変便利です。
さらにWebDav機能を使うと、GUIが無いLinuxでもフォルダ同期を行ったり、ネットワークドライブとしてアクセスすることが可能です。
- コマンドラインでNextcloudサーバと同期するには
- NextcloudサーバをWindowsネットワークドライブに割り当てるには
- NextcloudのカレンダーをThunderbirdからCalDAVで利用するには
- iPhoneで撮影した写真や動画をNextcloudサーバへ自動アップロードするには
デメリットである通信頻度の高さは、不要なファイルを消したり、使用していないフォルダを同期しないように設定することで減らせるようです。
通常のファイル共有サーバには無いメリットを享受できますので、Nextcloudが気になるようでしたらぜひとも使ってみて下さい。