NVIDIA JETSON NANO 開発者キットの仕様を拝見したところ、PoEの記述が見られました。
先日、Raspberry piに、IEEE 802.3af規格のPoE給電を行ってみました。このときは、Raspberry Pi側にスプリッター(配電)ユニットを使用しましたが。
もしかして、開発者キットは、PoEのLANケーブルによる直接的な給電が可能なのでしょうか?
NVIDIA JETSON NANO 開発者キットにPoEのLANケーブルを直接接続
Raspberry Piに給電する場合は、インジェクター(給電)ユニットと、スプリッター(配電)ユニットを使用しました。
一方、JETSON NANO User Guideには
次の記述があります。
- [J38] The Power over Ethernet (POE) header exposes any DC voltage present on J43 Ethernet jack per IEEE 802.3af
- [J43] RJ45 connector for gigabit Ethernet.
J38 PoEヘッダーには、J43 Ethernetジャックから供給された、IEEE 802.3afの電圧が供給されます。
J43は、RJ45コネクタのギガビットEthernet端子です。
・・・
ふむふむ。
スプリッターなしで、直接開発者キットに、48V給電のLANコネクタを挿してみたらどうなるか?もしかして、そちらから給電できるのでは?実際に試してみました。
通常のLAN配線と異なり、48Vの電圧がかかったLAN配線になります。
買ったばかりのJETSON NANO、良くて故障。もしかしたら、発火。最悪、コンデンサーとか爆発?!バケツを用意したほうが良いのかしら?
※実際はIEEE 802.3af規格の機能により、接続したデバイスがPoEに対応しているかどうか判定が行われるため、正規の機器を使用していれば問題ありません。ただし、48V通電中にLANケーブルの抜き差しを行うと、火花が出る場合はあるようです。
PoE給電されるかどうか
JETSON NANO 開発者キットから電源ケーブルを取り外して、代わりにLANケーブルを接続。
LAN給電してみましたが。
・・・・
特に何も起こりません。爆発・発火しませんでしたが、電源LEDも光りませんでした。
PoEのLAN配線を直接行っても、JETSON NANO 開発者キットの電源を供給することは、どうもできないようです。
別途、PoE Hatが必要のようです
NVIDIA Forumのこちらの記事を拝見したところ。
J38 PoEヘッダーは、PoEから供給された48Vの電圧をパススルーしているようです。
別途、5Vの電圧にステップダウンするPoEハットまたはレギュレーターが無いと、開発者キットに給電はされないのでは、という内容のようです。
ふむふむ。
というわけで。
JETSON NANOのUser GuideにはPoEの記述がありますが。
48VのPoE LAN配線を直接JETSON NANO 開発者キットに接続しても、給電できるわけではないようです。
J38 PoEヘッダーに接続するPoE Hatを用意するか、または給電用のスプリッターを使用する必要があるようです。
近年、PoE給電機能を持つスイッチングハブの価格はお手頃になってきました。LAN配線1本で給電できるPoEはなかなか便利で、設置場所のバリエーションが広がる感じです。
コンパクトかつ安全に給電するために、JETSON NANO専用のPoEハットの登場が望まれますね。