USB 3.0対応ARM64ビットシングルボードコンピュータはどれが良いのか

PCやスマートフォンと同様に。

シングルボードコンピュータ(SBC)も、近年、64ビット対応が進んでいるようです。

ここでは、ストレージを接続するサーバのような使い方を想定して。

64ビットARMアーキテクチャに対応したシングルボードコンピュータのうち、USB 3.0端子を搭載した機種を探してみたいと思います。


ARM64ビットシングルボードコンピュータUSB 3.0対応機種

※Wi-Fiを搭載していても、日本国内では使用できない場合がありますのでご注意下さい。

Raspberry Pi

Raspberry Pi 4 Model B

2019年6月登場。シングルボードコンピュータといえば、Raspberry Piと言っても良いくらいメジャーな存在です。4代目でUSB 3.0端子に対応しました。1GB/2GB/4GBの3種類のモデルがあります。技適認証済みのため、Wi-Fiの利用も問題なさそうです。

Raspbianをご利用する場合は問題ありませんが、Ubuntu 19.10のような64ビットOSの一部では、4GBモデルでUSBが使用できないようです。(※2019年12月現在)

こちらの記事では、4GB版でUSBを使用可能なOSをご紹介しております。


NVIDIA

Jetson Nano Devloper Kit

2019年3月登場。

製品紹介ページから。

  • CPU:クアッドコア ARM® Cortex®-A57 MPCore プロセッサ
  • GPU:128 基の NVIDIA CUDA® コアを実装した NVIDIA Maxwell™ アーキテクチャ
  • メモリ:4 GB 64 ビット LPDDR4
  • ストレージ:16 GB eMMC 5.1 フラッシュ
  • LAN:ギガビット イーサネット
  • Wi-Fi:なし 専用端子搭載:M.2 Key E
  • 4x USB 3.0、USB 2.0 Micro-B

GPIOを備えた通常のシングルボードコンピュータとして使用できるほか、GPUを使ったAIプログラミングも可能のようです。

本体のご購入は、NVIDIA Jetson製品の国内代理店から購入されたほうが、価格を抑えられるかと思います。

また本体の他に電源やmicroSDカードが必要ですが、最適な製品を選ぶため、宜しければこちらの記事を御覧ください。


FRIENDLY ELEC

NanoPi M4 V2

2019年11月登場。下記のNanoPi M4のRAMをDDR4に変更したモデルになります。実際に購入して、Armbianを起動してみました。こちらの記事になります。

NanoPi M4

2018年11月登場。製品紹介ページより

  • CPU:Rockchip RK3399(64-bit Dual Core Cortex-A72 + Quad Core Cortex-A53)
  • GPU:Mali-T864
  • RAM:Dual-Channel 4GB LPDDR3-1866 / Dual-Channel 2GB DDR3-1866
  • ストレージ:eMMCソケット、microSDスロット
  • LAN:Native Gbps Ethernet
  • Wi-Fi: 802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth 4.1
  • USB 3.0×4, USB Type-C(USB 2.0 OTG電源), USB Host×2(GPIOピン)

メモリー4GBと2GBの2つのモデルがあります。本体サイズはクレジットカードサイズながら、USB 3.0端子が豊富にあります。eMMCの接続も可能です。Androidを動かしたい場合、基本的にeMMCが必要のようです。

実際に購入してOpenMediaVaultを動かしてみました。ヒートシンクは必須な感じですが、USB,有線LANの性能は高いように思えます。

NanoPC-T4

2018年6月登場。製品紹介ページより

  • CPU:Rockchip RK3399(big.LITTLE,Dual-Core Cortex-A72(up to 2.0GHz) + Quad-Core Cortex-A53)
  • GPU:Mali-T864 GPU
  • RAM:Dual-Channel 4GB LPDDR3
  • ストレージ:16GB eMMC 5.1 Flash
  • LAN:Gigabit Ethernet
  • Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth 4.1
  • USB 3.0, Type-C, M.2(PCIe x4)

本体サイズはコンパクトながら、eMMC、無線LAN、USB3.0、Type-C端子を備え、さらにM.2スロットへSSDを搭載可能です。HDMI 2.0aに対応しており、4K@60Hzの高解像度な映像出力が可能のようです。


Orange Pi

Orange Pi Lite 2

2018年5月登場。製品紹介ページより

  • CPU:Allwinner H6(Quad-core 64-bit ARM Cortex-A53)
  • GPU:Mali T720
  • RAM:1GB LPDDR3
  • ストレージ:microSDカードスロット(32GBまで)、MMCカードスロット
  • LAN:なし
  • Wi-Fi:802.11 AC/bb/g/n
  • Bluetooth 4.1
  • USB 3.0×1、USB 2.0×1

ボードのサイズは69mm×48mmのようです。Raspberry Piの86mm×57mmと比較して一回りコンパクトです。USB 3.0端子を1つ搭載しています。キーボードやマウスの接続を考慮すると、USBハブが必要かもしれません。有線LAN端子がありませんのでご注意下さい。

Orange Pi RK3399

2018年6月登場。製品紹介ページより

  • CPU:Rockchip RK3399(Dual-Core Cortex-A72 and Quad-Core Cortex-A53)
  • GPU:Mali-T860 MP4 Quad-Core GPU
  • RAM:2GB DDR3
  • ストレージ: 16GB High-Speed eMMC、microSDカードスロット、miniPCIe(LTE/mSATA)、mSATA端子
  • LAN:10/100/1000Mbps Ethernet
  • Wi-Fi:802.11a/b/g/n/ac(2×2 MIMO)
  • Bluetooth 4.1
  • USB: USB3.0 Type-C×1、USB 2.0×4

本体サイズは少し大きめですが、Type-CのUSB 3.0端子のほか、SPDIF(光音声)やHDMI IN(入力)、mSATA端子、SIMカードスロット等を備えていて、拡張性が大変高そうです。


FireFly

ROC-RK3328-CC

2018年6月登場。DDR 4GB/2GBの2種類と、MicroSDカード(別名TFカード)付きの2種類、合計4種類が取り扱われています。

製品紹介ページより

  • CPU:Rockchip RK3328(Quad-Core ARM Cortex-A53 64-bit processor, Frequency up to 1.5GHz)
  • GPU:Mali-450MP2 QUad-Core GPU
  • RAM:1GB/2GB/4GB DDR4 RAM
  • ストレージ:ハイスピードeMMC端子、MicroSDカードスロット
  • LAN:Gigabit Ethernet
  • USB:2xUSB2.0, 1xUSB3.0

同じRK3328を搭載したRock64と似ていますが、eMMC端子の位置が異なり、設計は別のようです。製品紹介ページに、Android 7.1とLinux(ubuntu?)のSDカード作成方法のリンクがあるようです。

Firefly-RK3399

2017年4月登場。製品紹介ページより、Rockchip RK3399(2GHz hexa-core ARM Cortex-A72 + ARM Cortex-A53)、RAM 2GB、eMMC 16GB 、ギガビットLAN、Wi-Fi、USB 3.0を搭載しています。USB 3.0を利用してストレージを接続できるほか、PCIeに対応したM.2スロットを搭載していますので、SSDをコンパクトに接続できそうです。


Seeed Studio

HiKey 970

2018年7月登場。製品紹介ページより

  • CPU:4 x Cortex A73 @ 2.36GHz, 4 x Cortex A53 @ 1.8GHz
  • GPU:Mali G72-MP12
  • RAM:6GB LPDDR4
  • ストレージ:64GB UFS storage; micro SD card slot; PCIE Gen2 on M.2 M Key connector
  • Ethernet:1x1000Mbps LAN Por
  • ワイヤレス:WiFi(2.4 -and 5-GHz dual band with two antennas); Bluetooth 4.1; GPS, Glonass,BeiDou
  • USB:2x USB 3.0 Type A(Host only); 1x USB 2.0 Type-C (OTG); 1xUSB 2.0 (Host only)

通常のType A USB 3.0端子を2つ搭載していますが、Type-CはUSB 2.0のようです。M.2スロットを搭載していますので、そちらに大容量SSDを搭載できそうですが、SSDの長さに注意が必要です。それと、こちらのボードはGPSを内蔵しているようです。

HiKey 960 (4GB RAMバージョン)

2018年4月登場。製品紹介ページより、Huawei HiLilicon Kirin 960(2.3GHz octa core ARM Cortex-A53 + ARM Cortex-A73 (big.LITTLE))、RAM 4GB、UFS 32GB、PCIE(M.2 M Keyコネクタ)、Wi-Fiを搭載しています。別売のコネクタで、M.2 M Keyコネクタをmini PCIeに変換できるようです。 96Boardsプラットフォームに対応し、OSはAndroid Open Source Project (AOSP)対応の他、Debian等に対応しているようです。


PINE64

ROCK64

2017年2月登場。秋月電子通商さんにも取り扱いがありました。製品紹介ページより、Rockchip RK3328(1.5GHz quad core ARM Cortex-A53)、RAM 4GB/2GB/1GB、ギガビットLANを搭載しています。オプションでeMMCを搭載できるようです。Android 7.0のほか、Debian等に対応しているようです。

aarch64(64ビット)対応OSをご利用される場合、ArmbianやDietPiが安定している印象です。Debian StretechベースのOSのようです。


同じARM 64ビット対応のシングルボードコンピュータでも、数千円で買えるものから、3~4万円程度の価格帯のものまで、バリエーションがあるようです。

高価格帯のM.2端子やPCIe端子を搭載したモデルは、ストレージの接続の他に、PCIe対応デバイスを接続する用途にも使用できそうです。

製品に何か動向がありましたら、記事を更新させて頂きたいと思います。

シングルボードコンピュータをSoCごとに比較したい場合、宜しければこちらの記事を御覧ください。


※19.12.29:Raspberry Pi 4 Model B、NanoPi M4V2を追加しました。
※18.11.15:Orange Pi Lite 2、Orange Pi RK3399、NanoPi M4を追加しました。
※18.9.12:Hikey 970を追加しました。
※18.7.30:ROC-RK3328-CCを追加しました。
※18.7.19:NanoPC-T4を追加しました。

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