Jetson NanoでRaspberry Pi HQカメラは使用できるのか試してみました

先日、レンズ交換が可能な、Raspberry Pi HQカメラが発売されました。

Jetson Nanoは、Raspberry Pi カメラモジュールV2を直接接続する事ができました。

ではHQカメラも同様に接続できるのでしょうか?

実際に試してみました。


Jetson NanoのCSI端子動作確認

使用するOS

OSは、2020年4月に公開された、Jetson Nano Developer Kit SD Card Image バージョンJP4.4 DPを使用しました。

Ubuntu 18.04 LTSベースで、JetPack 4.4 DPが含まれています。


Raspberry Pi カメラモジュールV2

最初に、Jetson NanoにカメラモジュールV2を接続して動作を確認しました。Jetson Nanoを起動すると、カメラモジュールV2が/dev/video0デバイスとして認識されました。

キャプチャコマンドを実行します。

nvgstcapture

このような感じで、画面にカメラの映像が正しく表示されました。

Jetson NanoのCSI端子に接続したRaspberry Pi カメラモジュールV2は、問題なく動作します。


Raspberry Pi HQカメラ

ではHQカメラの場合はどうでしょうか?

起動後、/dev/video0デバイスを確認しますと。どうやらデバイスとして認識されていないようです。

キャプチャコマンドを実行しました。No cameras availableの文字が見えます。ふむ。

どうやらRaspberry Pi HQカメラは、Jetson Nanoでは使用できないようです。※20.6.27現在。


ドライバと電圧の問題

では、なぜHQカメラモジュールが動作しないのか?

理由の1つ目として、ドライバの問題があるようです。こちらの記事に記載させて頂いた通り。

カメラモジュールV2は、Sony IMX219イメージセンサーを搭載しています。

一方、HQカメラモジュールは、Sony IMX477イメージセンサーを搭載しています。

こちらのフォーラムの投稿に記載がありますが、JetsonNanoは、IMX477用のドライバが搭載されていないようです。

カメラを接続する際、CSI-2というインターフェースは共通ですが、イメージセンサーが異なるため、別途ドライバが必要のようです。

理由の2つ目として、カメラモジュールの動作電圧の問題があるようです。

こちらのページの「Compatibility with NVIDIA Jetson Platforms」欄を拝見したところ。

Jetson Nano等のJetsonシリーズは、GPIOリセットに1.8Vを採用しているようです。一方、HQカメラは3.3Vを使用しているため、HQカメラをハードウェア的に修正(改造)する必要があるそうです。

おそらく、基板上のR8という抵抗が3.3V用に搭載されているため、1.8Vではうまく動かないようです。

ふむふむ。


以上のように、Jetson NanoにRaspberry Pi HQカメラモジュールを接続してみましたが、うまく動作しませんでした。

動作しない原因は、Jetson Nano NVIDIA Developer Forumsに記載があり、ドライバの問題と、動作電圧の問題が関係しているようです。

もしも、どうしても、Jetson NanoでHQカメラを使用したい場合は。このあたりの情報を参考に、HQカメラを改造してみるのも面白いかもしれませんね。

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