- VPNサーバ機能付きWi-Fiルータはどれが良いのか
日ごとに暖かくなり、春モデルの新製品が発表されています。
新機種・現行機種の中から、VPNサーバ機能付きのWi-Fiルータを探してみたいと思います。
外出先から自宅のPCサーバにアクセスしたり、自宅カメラの視聴を想定していたのですが(VPNリモートアクセス)
どうやら、外出先で安全にインターネットを利用するVPN機能を搭載したWi-Fiルータも登場しそうな感じです(VPNプロキシ)
目次
VPNサーバ機能付きルータを選ぶポイント
次のポイントを評価させて頂きたいと思います。
- VPNサーバ機能のレベル
- 自宅のネットワーク機器すべてに安全にアクセス:VPNリモートアクセス機能
- 自宅機器のアクセスが限定的(設定が必要):VPNではない独自のリモートアクセス機能
- 外出先で安全にインターネットを利用できる:VPNプロキシ機能(自宅のルータを経由してインターネットへアクセス)
- VPNのプロトコルの種類
- PPTP対応か(iOSやmacOS、v6プラス(MAP-E)、transix(DS-Lite)環境では接続できません)
- IPSecやOpenVPN等、新しい方式に対応しているか
- 維持費がかかるかどうか
- 動的DNS(DDNS)が無料
- 動的DNSが有料
- 固定IPを使えば動的DNSは不要になります。こちらはISP(インターネット・サービス・プロバイダ)のオプション契約(有料)になります。
※ここで申し上げる「安全に」は「ユーザ認証が必要でさらにパケットが暗号化される」意味になります。
VPNサーバ機能付きWi-Fiルータ
アイ・オー・データ機器
WN-AX2033GR2
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:IPSec
- 維持費:不要。iobb.netが無料で利用可能
アイ・オー・データ機器さんから、待望のIPSec対応Wi-Fiルータが登場するようです。2018年3月発売「WN-AX2033GR2」製品紹介ページの仕様覧を拝見したところ「VPNサーバー(IP Sec)」の記述がありました。「v6プラス、transixサービス利用時は使用できません。」の注意書きがあります。IPv6(IPoE)をご利用する場合、VPN機能を使用できるかどうか「IPv6接続動作確認済みサービス一覧&対応機器」ページ等でよくご確認をお願い致します。
WN-AX1167GR
WN-AC1600DGR3
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:PPTP
- 維持費:不要。iobb.netが無料で利用可能
こちらの3機種がPPTP VPNサーバ機能対応の現行機種のようです。「v6プラス、transixサービス利用時は使用できません。」の注意書きがあります。
製品紹介ページを拝見したところ、2017年11月に発売された「WN-AX1167GR2」はVPNサーバ機能を搭載していないようです。ご注意下さい。(2018年3月7日時点)
2018年9月14日、WN-AX1167GR2の製品紹介を拝見したところ「VPNサーバー(IP Sec)」の記述がありましたので訂正致します。
BUFFALO
- WTR-M2133HP
- WTR-M2133HP-PR
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:L2TP/IPsec
- 維持費:BuffaloダイナミックDNS(有料), DynDNS(有料), No-IP(無料プラン有り)
- WXR-2533DHP2
- WXR-1901DHP3
- WXR-1900DHP3
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:「L2TP/IPsec」または「PPTP」から選択
- 維持費:BuffaloダイナミックDNS(有料), DynDNS(有料), No-IP(無料プラン有り)
BUFFALOさんの現行のWi-Fiルータは、5機種がVPNサーバ機能に対応しているようです。2018年1月発売のWTR-M2133HPはPPTP機能が搭載されておらず、L2TP/IPSecのみ対応しています。また「IPv6接続時にはご利用頂けません。」とありますのでご注意下さい。
No-IPのアカウント登録は宜しければこちらの記事を御覧ください。
NEC
- VPNサーバ機能のレベル:限定的(設定が必要のようです)
- VPNのプロトコル:VPNではなく「リモートアクセス」機能のようです。
- 維持費: ホームIPロケーション(無料)
2016年に発売された2機種が「リモートアクセス」機能搭載の現行機種のようです。2017年以降、リモートアクセス機能やVPN機能が搭載された新機種は発表されていないようです。
海外製VPNサーバ機能付きWi-Fiルータ
ASUS
BRT-AC828
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:IPSec、OpenVPN、PPTP
- 維持費: ASUS DDNS(無料)、DynDNS(有料)、TZO(有料)、No-IP(無料プラン有り)、他
2017年8月発売のこちらの機種はIPSecに対応しています。オフィス向けのようです。
ASUS ROG Rapture GT-AC5300
RT-AC88U
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN、PPTP
- 維持費: ASUS DDNS(無料)、DynDNS(有料)、TZO(有料)、No-IP(無料プラン有り)、他
こちらの2017年11月発売の2機種と2016年3月発売の1機種(RT-AC88U)は「ゲーミングWi-Fiルーター」になります。タイムラグを減らしたり、ゲーム通信を加速する機能が搭載されているようです。
RT-AC65U
RT-AC85U
RT-AC3200
RT-AC68U
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN、PPTP
- 維持費: ASUS DDNS(無料)、DynDNS(有料)、TZO(有料)、No-IP(無料プラン有り)、他
こちらの4機種はOpenVPNとPPTPに対応しています。上から発売日が最近の順でRT-AC65Uが2017年4月発売、いちばん下のRT-AC68Uは2013年11月802.11acドラフト対応で発売、その後2014年1月に正式対応されたようです。
RT-AC1200HP
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:PPTP
- 維持費: ASUS DDNS(無料)、DynDNS(有料)、TZO(有料)、No-IP(無料プラン有り)、他
2015年9月発売のこちらの機種はPPTPのみ対応のようです。
NETGEAR
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN
- 維持費:NETGEAR DDNS(無料)、No-IP(無料プラン有り)、DynDNS(有料)
2017年4月発売のゲーミングルータです。Dynamic QoS等ゲーム向けに最適化された機能が搭載されています。
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN
- 維持費:NETGEAR DDNS(無料)、No-IP(無料プラン有り)、DynDNS(有料)
トライバンド(3つの帯域)対応のWi-Fiシステムです。Orbiは家庭用、Orbi Proはオフィス向けのようです。中継用の帯域を確保することで、専用の追加サテライト(中継器)で高速なWi-Fi環境を構築できるようです。
Nighthawk R8500-100JPS
Nighthawk R8000-100JPS
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN
- 維持費:NETGEAR DDNS(無料)、No-IP(無料プラン有り)、DynDNS(有料)
こちらの5機種がOpenVPN対応の(通常の)Wi-Fiルータとなります。上から発売日が最近の順で、R8000Pが2017年10月発売、いちばん下のR7000は2014年5月発売となります。
2018年3月発売最新機種のR6850は、VPNサーバ機能は搭載されていないようです。
TP-LINK
- Archer C5400X
- VPNサーバ機能のレベル:リモートアクセス、VPNプロキシ機能搭載?(要確認)
- VPNのプロトコル:OpenVPN、PPTP
- 維持費:TP-Link DDNS(無料)、DynDNS(有料)、No-IP(無料プラン有り)
2018年7月5日発売予定のこちらの機種。製品紹介ページのVPNの説明図をよく見ますと、自宅LANへのリモートアクセスというよりも、フリーWi-Fiを安全に利用するVPNプロキシ機能のように見えますが、詳細は不明です。発売を楽しみに待たせて頂こうと思います。
Archer C2300
Archer C1200
Archer C3150
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN、PPTP
- 維持費:TP-Link DDNS(無料)、DynDNS(有料)、No-IP(無料プラン有り)
最新機種の2018年1月発売のArcher C2300から2016年11月発売のArcher C3150の4機種がVPNリモートアクセスに対応しているようです。
Synology
- Synology RT2600ac
- VPNサーバ機能のレベル:VPNリモートアクセス
- VPNのプロトコル:OpenVPN、L2TP/IPSec、PPTP
VPN Plus Server利用時:WebVPN、SSL VPN、SSTP、OpenVPN、L2TP/IPSec、PPTP - 維持費:QuickConnect(Synology DDNS)(無料)
SynologyさんのWi-Fiルータは、2017年7月発売のこちらの機種のみ国内で販売されているようです。
傾向など
近年、PPTPが使用できない機器(iPhoneやMac)と回線(v6プラスなど)が登場しています。PPTPのみ対応したVPNサーバ機能付きルータは減少傾向にあります。
その代替として、国内メーカはL2TP/IPSec対応機器が増えつつありますが、海外はOpenVPN対応機器が増えつつあり、国内と海外で方向性が異なるようです。
新しい無線技術である802.11ac Wave2、トライバンド対応機器も多く登場していますが、オフィスやゲーミング向けに、Dynamic QoSのようなメーカーごとの独自の技術が搭載された機種も増えています。
複数のアクセスポイントを設置したい場合。Wi-Fiの強力な中継機能として、ASUSさんのAiMeshやNETGEARさんのOrbi等、メッシュネットワーク対応機種も見られるようになりました。
セキュリティに関しては、たとえばASUSさんのVPN対応Wi-Fiルーターはすべて、トレンドマイクロ社のパケット・インスペクション機能を搭載している等、ハードウェア的にウイルス対策を行っている製品も見られます。よりセキュリティを重視する場合、選択のポイントになるかと思います。
海外製品を含めた場合、全体的にVPNサーバ機能つきのWi-Fiルータは増える傾向で・・・どれを選んだらよいか、迷ってしまいますね!
VPNプロキシ機能を搭載したWi-Fiルータが出始めている気配もありますが・・・詳細が分かり次第、記事を更新したいと思います。
次回は秋頃でしょうか。またお会い致しましょう!
※18.9.14:WN-AX1167GR2がIPSecに対応されたため、記事を修正致しました。
※18.3.14:Netgear Orbi Proを追加しました。
- VPNサーバ機能付きWi-Fiルータはどれが良いのか
コメント
モバイルルータ等でVPNは使えませんか?
ハーメルンさん
はじめまして。コメント頂きまして誠にありがとうございます。
モバイルルータにPCやスマートフォンを接続して、外出先から自宅や会社のVPNルータにVPN接続するのでしたら、可能な機種もあるかと思います。
モバイルルータの機種や、使用する携帯電話のキャリアさんの種類、VPNルータの機種の組み合わせでうまく接続できない場合もあるようです。詳細はこちらの記事になります。
http://denor.daa.jp/vpn%E6%8E%A5%E7%B6%9A%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%AA%E3%81%84%E5%A0%B4%E5%90%88%E3%81%AE%E5%AF%BE%E5%87%A6%E4%BE%8B
実際につながるかどうかは、試してみないとわからない感じかと思います。
もしもモバイルルータをVPNサーバにしたい場合は、難しいと思います。
今の所、VPNサーバ機能とバッテリーを搭載した、持ち運べるタイプのルータは見かけたことはありませんです。