このような感じで、Debian 10 Busterのプレビュー版を、Raspberry Piで動かせるようです。
動作に必要な環境等を記録しておこうと思います。
対応するRaspberry Pi
基本的にこちらの情報をもとに、イメージのダウンロード・microSDカードへの書き込み、起動を行いました。
Raspberry Pi 3ファミリーに対応し、3B+及び3A+を追加しました、との記述があります。
手持ちのRaspberry Pi 3 Model Bで試したところ、問題なく起動しました。起動後、カーネルのアーキテクチャ(uname -aコマンド)とバイナリの形式(fileコマンド)を確認したところ、aarch64、64ビット版のカーネルとコマンドでした。
Raspberry 3ファミリー以外の機種、Pi(無印)、Pi 2、Pi Zero、Pi Zero Wは基本的に64ビットに対応していないため、恐らく非対応なのではないかと思います。(Pi 2の一部のロットは64ビット対応のようですが、実際に使われている方はいらっしゃるのでしょうか?)
Debian Buster PREVIEW起動手順
- Debian Wikiの内容に従って、イメージをダウンロードします。
https://people.debian.org/~gwolf/raspberrypi3/20181204/20181204-raspberry-pi-3-buster-PREVIEW.img.xz
ファイル名から2018年12月4日のプレビュー版イメージのようです。今後、イメージが更新される可能性もありますので、こちらのURLは使用せずに、実際にダウンロードする際に上記のDebian Wikiの内容を確認してみて下さい。
- Windows 10のPCにてmicroSDカードに書き込みました。xz圧縮に対応したEtcherを使用させて頂きました。
- Raspberry PiにmicroSDカードをセットして起動します。
- ログイン/パスワードはroot/raspberryのようです。
パーティションの拡張は自動で行われるようです
初回起動時、パーティションの拡張が行われた模様です。
64GBのmicroSDカードを使用したところ、/(ルート)の空き容量は54GB確保されていました。
X Window Systemは?
プレーンなX window systemとtask-gnome-desktopをインストールしてみました。
apt update
apt install x-window-system
apt install task-gnome-desktop
インストールの途中で、キーボードの種類の入力を求められます。gnome環境のインストールは1時間以上かかったかと思います。
おうちの環境(Raspberry Pi 3 Model B)では、X Window Systemはうまく動きませんでした。残念・・・。
動かない明確な原因はわかりませんが、microSDカードの相性や、電源容量不足等の環境依存の可能性もありますので、実際にお試し頂いたほうが宜しいかと思います。
※19.1.25追記:そういえば「apt upgrade」を行わないと、実際にパッケージの更新がされないようです。お試し頂く場合、upgradeをお忘れなく。
プレビュー版を動かしてわかった事と致しまして。
2019年にリリース予定のDebian Busterは、64ビットカーネルとコマンド(バイナリ)に確実に対応する方向であることがわかりました。
シンプルに考えると、CPUのレジスタが32ビットから64ビットレジスタに変わることで、一度に2倍のデータを扱う事ができる計算になります。(実際はそのような単純な話ではありませんが)
X Window Systemも64ビットバイナリに対応し最適化が進めば、今後Raspberry Piのパフォーマンス向上に期待できそうです。
正式リリースを楽しみに待たせて頂きたいと思います。