Raspberry Pi以外のシングルボードコンピュータで地デジ視聴・録画環境を作るには

Tinker Board 2Sに、USB外付けHDDとチューナを取り付けて、視聴・録画環境を作成してみました。

シングルボードコンピュータで視聴環境を作る場合は、Raspberry Piを使用すると、作成の難易度が低いのは確かです。

では、他のシングルボードコンピュータで作るのは?と申しますと。難易度が高いのですが、問題なく作成することが可能です。

このあたり、なぜ難易度が違うのかを整理させて頂こうと思います。


シングルボードコンピュータで地デジ視聴・録画環境を作る場合のポイント整理

Raspberry Pi 4の作成難易度が低い理由

[amazonjs asin=”B089GSG8Y1″ locale=”JP” title=”ラズベリーパイ 4 コンピューターモデルB 8GB Raspberry Pi 4 ラズパイ 4 TELEC認定取得済み (Raspberry Pi 4 8GB)”]ずばり、次の理由から、地デジ視聴環境を簡単に作ることができます。

  1. USBチューナドライバがRaspberry Pi OSに予め組み込まれている。
  2. USB端子が多い。
    1. しかし電源供給能力が弱く、それは弱点
  3. メモリー搭載量4GB。コンパイル等が行いやすい。
  4. その他、ffmpegやauofs等の必要なプログラム・ドライバを導入しやすい。

もしも、他のシングルボードコンピュータで地デジ視聴環境を作る場合は、この4点がポイントとなり、なにか工夫する必要が出る場合があります。(後述

最大のポイントは、Raspberry Pi OSにUSBチューナのドライバが入っている、autofsも入っているところでしょうか。

また性能、CPUパワー等についても、地デジ視聴・録画に必要な性能を満たしている、というのもポイントです。(Raspberry Pi 3や2では作れないと思います。


他のシングルボードコンピュータで地デジ視聴環境を作る場合のポイント

[amazonjs asin=”B079YD3QT3″ locale=”JP” title=”PLEX USB接続型フルセグ対応地上デジタルTVチューナー PX-Q1UD”]先程の4点をなんとかすれば、他のシングルボードコンピュータでも地デジ視聴環境を作ることは可能です。次の2台にて、実際に環境を構築できました。

  1. Tinker Board 2S
  2. NanoPi M4V2

その構築のコツは下記になります。

USBチューナドライバの導入

お使いのシングルボードコンピュータ・OSバージョンに適合するカーネルのソースから、カーネルをコンパイルすることで、USBチューナドライバを導入することができます。

Tinker Boardの場合、本体にてカーネルのコンパイル環境を作成し、コンパイルが可能です。

https://denor.jp/tinker-board-2s%E3%81%A7usb-tv%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%92%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%AF

NanoPi/NanoPCの場合、クロスコンパイル環境を用意する必要があります。通常のWindows 10 PCにて環境を構築することができます。

https://denor.jp/nanopi-nanopc%e7%94%a8%e3%82%ab%e3%83%bc%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%91%e3%82%a4%e3%83%ab%e7%92%b0%e5%a2%83%e3%82%92windows-10-pc%e3%81%a7%e6%a7%8b%e7%af%89%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%bf

チューナーを使用する場合は、カーネルのコンフィグ時に、次の2つのドライバを有効にします。

  1. Digital TV Support
  2. Siano SMS1 xxx based MDTV receiver

このあたりの詳細は、Tinker Board 2Sのカーネルコンパイルの記事に画面キャプチャが御座います。

カーネルのコンパイルは、手順を間違えるとシングルボードコンピュータが起動しなくなるため、最悪の場合はOSの再インストールが必要になります。正直、リスクがあります。

前述の記事は、実際にUSBチューナのドライバをコンパイルして、新しいカーネルで起動、チューナが使用できるところまで、実際に試してあります。

手順の信頼性は高いと思います。


USBの給電能力の確認

USBについては、新しいシングルボードコンピュータのほうが利点が多いです。

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Tinker Board 2Sの場合、USB Type-A端子が3つ、Type-C端子が1つあります。Type-A端子は0.9A、Type-C端子は1.5Aの給電が可能です。

お勧めは、Type-C端子にSSDまたはHDDを接続、チューナとカードリーダー、チューナーの増幅器用電源を、Type-A端子に接続します。あとは、コンセントとLANケーブル、アンテナ線を接続すれば、地デジの視聴が可能になります。

NanoPC T6等、Raspberry Pi 4よりも後に発売されたシングルボードコンピュータは、電源容量が大きい機種があります。大容量のストレージを接続したい、SSDを使用したいという場合でも、安定して動作すると思います。


メモリー容量4GB未満はswap必須

シングルボードコンピュータで地デジ視聴・録画環境を作る場合は、メモリー容量は最低でも2GBは必要だと思います。

注意点は、環境の構築時、ソースのコンパイルやイメージのビルドを行う場合に、メモリー容量2GBは足りません。

メモリー容量2GBのTinker Board 2Sで、EPGStationのコンパイルは最初できませんでした。必ず途中でフリーズしてしまいました。

解決策ですが、swapを作成したところ、コンパイルが最後まで行えるようになりました。

手順はこちらの記事になります。

https://denor.jp/%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%89%e3%82%b3%e3%83%b3%e3%83%94%e3%83%a5%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%81%ae%e5%8b%95%e4%bd%9c%e3%81%8c%e4%b8%8d%e5%ae%89%e5%ae%9a%e3%81%aa%e5%a0%b4

メモリー容量が4GBに達していないシングルボードコンピュータを使用する場合は、必ずswapを作成してから、構築を行いましょう。


ffmpegやautofsを予め確認

ffmpegについては、多くのシングルボードコンピュータのディストリビューションで、問題なく導入できる場合が多いと思います。

しかしインストールされる場所やバージョンが異なるため、設定時に注意が必要です。

ストレージのマウントは、autofsの使用をお勧めします。

https://denor.jp/raspberry-pi-usb%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88%E8%A8%AD%E5%AE%9A

理由ですが。

  1. autofsなしでマウント→ストレージを取り付けておかないと起動しない。
  2. autofsありでマウント→ストレージがなくても起動する。

シングルボードコンピュータを再起動したい場合、autofsが有効の場合、必ず起動します。autofsを使用しない場合は、ストレージの調子が悪いと再起動に失敗します。

autofsのタイムアウトを0秒に設定すると、常にマウントされた状態になります。地デジの録画にストレージを使用する場合は、タイムアウトを0にしておけば遅延がなくなります。

地デジ録画の目的でUSBストレージを使用する場合は、HDD,SSDに関わらず、timeout=0でautofsでマウントしたほうが、トラブルは起きにくいと思います。

ちなみに、Tinker Board 2Sは、autofsが既定で使用できません。カーネルの再コンパイル時に、autofsを有効にすることで使用可能になります。


Raspberry Pi 4以外のシングルボードコンピュータで地デジ録画環境を作成してみると。

Raspberry Pi 4は、ドライバやメモリーの搭載量等、恵まれた環境であると気づきます。

一方、USBの電源容量が少なく機器の構成が複雑になったり、ハードウェアエンコード機能が使用しづらかったりと、弱点も存在します。

ハードウェアエンコードについては、新しい機種のほうが、性能や画質でRaspberry Pi 4に勝る可能性があります。またUSBの電源容量も、新しい機種のほうが恵まれていると思います。

もしも録画環境を更新する機会がありましたら、Raspberry Pi 4ではなく、別のシングルボードコンピュータを選択してみてはいかがでしょうか。

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