3Dプリンタの機種、ずいぶん増えてきましたね。機種の選択が、なかなか大変になってきました。
お好みの機種を選びやすいように。2018年3月現在、Amazonさんで取扱がある3Dプリンタの中から、通常のPLAやABSのフィラメントを使用できる熱溶融積層方式のプリンタについて、機種ごとに気になるポイントをピックアップさせて頂こうと思います。
基本的に、ご家庭でご利用できそうな機種を選ばせて頂こうと思いますが・・・少しだけ、憧れの意味で気になる機能が搭載された機種も(お高そうですが)。
熱溶融積層方式ではない、光造形方式や彫刻方式の3Dプリンタは対象外とさせて頂きました。
また完成品のみ対象とさせて頂き、組み立て式(キット)とRepRap系も対象外とさせて頂こうと思います。
目次
気になるポイントとは
製品仕様から3Dプリンタの次の機能を拝見させて頂いたかたちです。
- 最大造形サイズ:150mm,200mmあたりが基準かと思います。
- 積層ピッチ(造形精度):0.1mmを基準とさせて頂きました。
- フィラメント材質:PLA以外を使用できるかがポイントです。
- Wi-Fi対応:印刷時、基本的にスライサーを動かすPCが必要かと思います。
- プラットフォームの自動調節機能の有無
- 印刷速度:100~120mm/sを基準とさせて頂きますが、造形精度との兼ね合いもあるかと思います。
- 付加機能
- フィラメント切れ検出機能(停電対応)
- フィラメントの自動交換機能
- デュアルヘッド
- 多色対応:フィラメントの途中交換
- 多色対応:インクによるフルカラー印刷
- スライサー・制御ソフトウェア
3Dプリンタの気になるポイント 2018年春
なるべく新しい機種に重点を置き、製品ご紹介ページのスペック(仕様)で気になるポイントをピックアップさせて頂こうと思います。
XYZプリンティング
XYZプリンティングさんは2013年に設立された台湾に本社を置くメーカーのようです。
ダヴィンチ nano
- 最大造形サイズ:120x120x120mm
- フィラメント材質:PLA,PETG,Tough PLA
- ソフトウェア:XYZmaker, XYZmaker Mobile
2018年4月登場。エントリーモデルですが、完成品、買ってすぐ動かせるということで、3Dプリンタの様子を見るのに良さそうです。造形サイズは他機種と比較して小さめですのでご注意下さい。
ダヴィンチ Jr. 1.0 Pro
- 最大造形サイズ:150×150×150mm
- フィラメント材質:PLA,タフPLA,PETG,オーブンフィラメント(PLA材質のみ) Carbon,HIPS,Metallic
- 最大印刷速度:160mm/秒
- オートキャリブレーション
- ソフトウェア:XYZware, XYZmaker
2018年4月登場。オートキャリブレーション機能に対応しています。手動調整の場合、印刷に失敗してから調節が必要なことに気づき、さらに調整が面倒で時間がかかる場合があります。自動調整はその手間を減らし、印刷の失敗も減るかと思います。
ダヴィンチ miniMaker
- 最大造形サイズ:150x150x150mm
- フィラメント材質:PLA,PETG,Tough PLA
- ソフトウェア:XYZware, XYZmaker
2016年7月登場。エントリーモデルですが、最大造形サイズ150mmに対応していますので、ある程度の実用品の印刷も可能かと思います。
ダヴィンチ mini w
- 最大造形サイズ:150x150x150mm
- フィラメント材質:PLA,PETG,Tough PLA
- Wi-Fi対応
- フィラメント残量表示
- ソフトウェア:XYZware
2016年7月登場。Wi-Fi対応で、プリンタの近くにPCを置く必要がありません。設置場所の選択肢が広がりそうです。
ダヴィンチJr. 2.0 Mix
- 最大造形サイズ:150x150x150mm
- フィラメント材質:PLA,Tough PLA
- デュアルフィードシステム(1つのノズルから2色のフィラメントの出力が可能)
- オートキャリブレーションシステム(プラットフォームの自動水平調整)
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:XYZmaker
2017年2月登場。2色のグラデーション出力が可能で、さらにオートキャリブレーション機能が搭載されています。
ダヴィンチ 1.0 Pro
- 最大造形サイズ:200×200×200mm
- フィラメント材質:PLA,ABS,Tough PLA,PETG,Selected type Carbon,HIPS,Metallic
- プリンターヘッド移動速度:200mm/s
- プラットフォーム校正システム
- フィラメントのオートフィーディングシステム
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:XYZware Pro, XYZmaker
2016年2月登場。最大造形サイズ200mmに対応し、材料もABS等多くの種類に対応しています。自動調節に対応し、プリント速度も一般的な120mm/sの機種よりも早いかと思います。「ダヴィンチ 1.0 Pro 3in1」は、3Dプリンターのほか、スキャナーとレーザー刻印機能を搭載しているようです。
ダヴィンチ Color
- 最大造形サイズ:200x200x150mm
- フィラメント材質:3D Color-inkjet PLA,PLA,Tough PLA,PETG
- フルカラー3Dプリンター
- 自動プラットフォーム校正対応
- 印刷中断再開機能(停電,フィラメント切れ対策)
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:XYZmaker
2017年9月登場。専用のフィラメントとインクを使用することで、フルカラーの出力が可能のようです。憧れの機種ということでご紹介させて頂きました。
FLASHFORGE
FLASHFORGEさんは2011年に中国で設立されたメーカーのようです。同じ形状の他社の製品も見られますので、購入時にOEM製品も選べそうです。
Adventurer3
- 最大造形サイズ:150×150×150mm
- フィラメント材質:ABS,PLA,HIPS,PVA,PP,PET,高耐熱性PLAなど
- 積層ピッチ:0.05~0.3mm
- キャリブレーション不要
- フィラメント切れ検出機能
- Wi-Fi対応
- カメラ内蔵
- ソフトウェア:FlashPrint
2018年6月発売予定の機種になります。フィラメントを本体に収納可能、コンパクトに設置できそうです。キャリブレーションが不要ということで、印刷時にヘッドの位置を自動調整するような機能があるのでしょうか・・・高機能な機種がお手頃な価格帯に下りてきた印象です。
Finder
- 最大造形サイズ:140×140×140mm
- PLA樹脂ワンリール付属
- 積層ピッチ:0.05~0.3mm
- オートキャリブレーション機能
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:FlashPrint
2017年7月登場。FLASHFORGEさんの新機種は積層ピッチ0.05mm対応がポイントかと思います。Finderは本体色が4種類あるようです。
Inventor2
- 最大造形サイズ:150x140x140mm
- フィラメント材質:PLA,PP,PET,TPU,高耐熱性PLAなど
-
造形精度:0.05~0.3mm
- フィラメント切れ検出機能
- オートキャリブレーション機能
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:FlashPrint
2017年8月登場。0.05mm精度に対応し、さらにフィラメント切れに対応しています。
Creator Pro
- 最大造形サイズ:225×145×150mm
- フィラメント材質:ABS,PLA,及びHIPSなどの溶性サポート樹脂
- デュアルヘッド
- 造形精度:0.1~0.3mm
- ソフトウェア:FlashPrint, ReplicatorG
2014年3月登場。ヘッドを2個搭載し、異なる材質をセットすることも可能のようです。こちらの造形精度は0.1mmのようです。
Dreamer
- 最大造形サイズ:225×150×140mm
- フィラメント材質:ABS、PLA、及びHIPSなどの溶性サポート樹脂
-
造形精度:0.05~0.3mm
- デュアルヘッド
- フィラメント収納
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:FlashPrint
2014年3月登場。積層ピッチ0.05mmのデュアルヘッド対応機のようです。
abee
アビー株式会社さんは横浜に本社を置くメーカーのようです。
SCOOVO C170
- 最大造形サイズ:175×150×150mm
- フィラメント材質:PLAフィラメント
- ソフトウェア:SCOOVO Studio
2013年9月登場。国内生産でサポートも国内ということで安心感がありますね。
武藤工業株式会社
武藤工業株式会社さんはインクジェットプリンタ、3Dプリンタ、設計・計測機器等を取り扱う国内メーカーのようです。
Value3D MagiX MF-500
- 最大造形サイズ:100×100×100mm
- フィラメント材質:PLAフィラメント
- 最小積層ピッチ:0.05mm
- ソフトウェア:制御ソフトウエア 日本語版 Pronterface、スライサーソフト 日本語版 Slic3r、日本語版 Cura
2013年9月登場。0.05mmピッチに対応。フィラメントを本体上部に設置できて、大変コンパクトな印象です。サポートも国内ということで安心感がありますね。
マイクロボード・テクノロジー
株式会社マイクロボード・テクノロジーさんはアメリカに本社を置くメーカーのようです。
AFINIA 3D H400
- 最大造形サイズ:120x120x120mm
- フィラメント材質:ABS,PLA
- 積層ピッチ:0.15~0.35mm
- ノズル高さ自動検出
- Wi-Fi対応
- ソフトウェア:Afinia Studio
2017年1月登場。AFINIA 3D H480の後継機種のようです。ABSに対応しています。本体はコンパクトで取っ手が付いています。フィラメントとツール類を専用ケースに収納できるため、持ち運びに向いているかと思います。使わないときに収納しやすい事もポイントかと思います。
3Dプリンタを使用する際、最大造形サイズや積層ピッチといった、造形に対する性能も気になりますが。
実際に印刷してみますと、プラットフォームの自動調整機能や、フィラメント切れの検出機能など、印刷を行うタイミングで必要な機能も気になるところです。
設置場所については。プリンタ本体のほか、フィラメントの置き場所、スライサー用のPCの設置場所も考える必要があります。それなりに設置面積が必要ですので、使用頻度が低い場合、使わない時に収納しやすいかどうかも気になるところです。
このあたり、機能と価格のバランスを取りながら機種を選択しつつ・・・・新機種の動向がありましたら、こちらの記事を更新させて頂こうと思います。
※18.6.8:FLASHFORGE Adventurer3を追加しました。