公式のFedora CoreOSドキュメントのRaspberry Pi 4起動を拝見しますと。
EDK2 Firmwareの場合、メモリー容量3GBの制限を解除するための手順が記載されています。
先日作成した、Raspberry Pi 4用のFedora CoreOSブートメディアですが。
こちらはEDK2ではなく、U-Bootから起動しています。
メモリー容量は、正しく認識されるでしょうか?確認してみました。
目次
Raspberry Pi 4でFedora CoreOSを起動した場合の使用可能メモリー容量
メモリー容量8GB版のRaspberry Pi 4を使用
やっと入手できました。最近、在庫が復活してきまして、価格もだんだん下がっている状況のようです。※23.6.25現在
メモリー容量8GB版のRaspbery Pi 4で、Fedora CoreOSを起動してみました。
U-Bootにて起動
つい最近入手したPi 4ですが。EEPROMの更新は行っていませんが。microSDカードではなく、USBメディアから起動できました。USB端子に取り付けたスティックSSDが認識されて、EFIバイナリが認識されています。続いてGRUBの画面が表示されます。
一部文字化けしていますが。設定が2つあるうちの、既定ではostree:0が起動するようです。何か起動時の設定を変更したい場合は、1秒以内になにかキーを押す必要があります。
今のところ、既定の設定でそのまま起動してみます。
動作を確認したFedora CoreOSのバージョンは、38.20230527.3.0になります。
USBスティックSSDから起動した時間は50秒弱
起動が完了し、ログインプロンプトが表示されるまでにかかった時間は、およそ48秒前後でした。
起動回数は3回目、と表示されています。
ブートメディアを作成するときに、Ignitionにてパーティション構成や、タイムゾーン・キーボード設定・ホスト名・ネットワーク設定等を指定してあります。初回起動時は、プロンプト表示まで数分かかりました。
またPythonを自動インストールするIgnitionも入れたため、初回起動後、インストールと再起動が行われました。(起動2回め)
今回の起動は、Pythonのインストールも完了し、初期設定がすべて完了した後の起動になっています。
使用可能なメモリー容量は
ログインすると、systemdのエラーが表示されますが。Pythonの自動インストールのために作成したサービスが、faild unitとして警告表示されています。Pythonのインストールは行われていますので、あとでサービスを無効にすれば問題なさそうです。
さて。メモリー容量は何GBとして認識されているでしょうか?3GBでしょうか?GRUBの設定変更が必要でしょうか?
ふむふむ。MemTotal: 8012092 kBという表示が認識できます。
topコマンドで状況を確認してみましょう。
MiB Mem: 7824.3 totalと表示されています。
メモリー容量は、8GBが正しく認識されていることが確認できました。
GRUBの設定変更は特に必要なさそうです。
通常のFedora Linuxとメモリー/タスク使用状況を比較
こちらのtop画面は。ブートメディアの構築に使用した、Raspberry Pi 3で起動したFedora Linux 38 Serverになります。
ふむ。
メモリーの使用状況に、大きな違いはない感じです。そもそも、どちらも同じFedora Linuxで同じカーネルのため、モジュールを大量に読み込まない限りは、大きな違いはなさそうです。
タスクの数は・・・Fedora Linuxは159total、Fedora CoreOSは149total。
systemdで整理されているため、タスク数も大きな違いはない感じです。
Raspberry Pi 4でFedora CoreOSを起動して、使用可能なメモリー容量を確認してみました。
8GBモデルのRaspberry Pi 4ですが、CoreOSから8GBすべての容量が認識されていました。
Fedora CoreOSの兄弟である、Fedora Linux 38 Serverとtop画面を比較したところ、タスク数やメモリー使用量に大きな違いはありませんでした。
正直、Fedora CoreOSのほうは、もう少し軽く作られているのかな?と思っていましたが、top画面からは、その違いは見えてきませんでした。
とはいえ、Fedora CoreOSはMobyエンジンを搭載していてdockerが使用可能ですが、Fedora Linuxはpodmanのみ使用可能であることや、OSパッケージの管理がrpm-ostreeであるなど、機能的な違いがあることは確かです。
そのあたりの違いや、性能的な違いがどうなるかは、追って別の切り口で見てみたいと思います。